最高峰の舞台と、最低限以下の生活と。
2008年12月10日 エッセイ コメント (3) ちょっと、ほんのちょっとだけ時期がずれてしまいましたが。
名門ホンダが、F1から撤退するそうですね。セナ・プロスト時代を殆ど知らず、即ちホンダの黄金期をまったくと言っていい程知らないわたしですが、その後のミハエル・シューマッハ全盛期にF1の魅力に取り付かれ、いち時期は月曜日休みと云う素敵な職場に居た時期もあって、よく見ていました。
…まぁそれも、シューマッハ引退からこちら、殆ど見ていないのですけれどね…
ともあれ、この世界恐慌とも呼ぶべき不景気により、ホンダはF1からの撤退を表明した訳ですよ。
確かに、F1と云うのは巨額の資金が掛かる。世界的に自動車が売れないこの時期、一説には年間500億円ともいわれる経費の負担は厳しいものがあるのでしょう。
しかし、このホンダのF1撤退のニュースを、いちばんの衝撃を以って受け止めているのは、誰或いはどの業界、法人でしょうか?
ファンは勿論、F1業界そのものも多大なショックを蒙っているでしょうが、わたしの邪推するところ、世界中でいちばんショックを受けているのは、トヨタではないかと思います。
ご承知の通り、トヨタはトヨタらしく、この不況の折さっさと多数の期間工の解雇を表明しました。
その一方で、巨額の資金を消費するF1の来期については、いっさいアナウンスされていません。
些か古い資料ですが、トヨタがF1に掛ける資金は、2006年シーズンは、およそ600億円だったとされています。その後、空前の利益を上げ、F1での勝利を渇望していたトヨタがその予算を削減したとはとても考えられませんので、今シーズンも廉く見積もっても同額程度は支出されていたことでしょう。
このところの円高もあり、表面的にF1の予算を2割カットとかパフォーマンスをしてみても、ドル換算すると予算が全く減っていないミラクルも演出できそうです。
ところで、ホンダと同じくF1を撤退し、その費用を雇用の安定に振り替えれば、年間コスト600万円までの労働者なら、1万人もの雇用を維持できる計算になります。
少なくとも、大企業の社会的責任としては、投資としては割に合うとは思えないF1は撤退、最低限この1万人までの雇用は護った上で、更に足りなければ已む無く一部解雇、と云うのが筋ではないでしょうか。
かたやF1の参戦は続け、ハケンや期間工は解雇、と云うのは日本人の美学にはそぐわないと思いますが、如何なものでしょうね。特にこの年末に解雇なんて、中の人は日本人ぢゃないんじゃない?
その経営姿勢って、自家用ジェットで議会に物乞いに行き失笑を買ったアメリカビッグ3のトップと、精神面において何も変わらないと思いますけど。
常々、気に入らないと思っている外来語があります。リストラと云うんですけど、日本語のリストラって、首切りって意味ですよね。
でも、語源となった「ReStructuring」って、再構築って意味だよね。
業務内容を見直し、効率よく再構築することによってコストを削減する。その結果、余剰人員が発生するなら整理する、と云うのが本来の意味。
卑怯卑劣な大企業のように、リストラの名の下に人員削減をした結果、残った社員が過労死寸前なんていうのは、ただの不法労働行為であって、経済行為の再構築ではないでしょ。
もしも来期、このままトヨタがF1を走っていたら、わたしはたぶん、首切りされた労働者の怨念で走っているとしか思えないでしょうし、全く・欠片ほども応援する気にならないでしょう。
名門ホンダが、F1から撤退するそうですね。セナ・プロスト時代を殆ど知らず、即ちホンダの黄金期をまったくと言っていい程知らないわたしですが、その後のミハエル・シューマッハ全盛期にF1の魅力に取り付かれ、いち時期は月曜日休みと云う素敵な職場に居た時期もあって、よく見ていました。
…まぁそれも、シューマッハ引退からこちら、殆ど見ていないのですけれどね…
ともあれ、この世界恐慌とも呼ぶべき不景気により、ホンダはF1からの撤退を表明した訳ですよ。
確かに、F1と云うのは巨額の資金が掛かる。世界的に自動車が売れないこの時期、一説には年間500億円ともいわれる経費の負担は厳しいものがあるのでしょう。
しかし、このホンダのF1撤退のニュースを、いちばんの衝撃を以って受け止めているのは、誰或いはどの業界、法人でしょうか?
ファンは勿論、F1業界そのものも多大なショックを蒙っているでしょうが、わたしの邪推するところ、世界中でいちばんショックを受けているのは、トヨタではないかと思います。
ご承知の通り、トヨタはトヨタらしく、この不況の折さっさと多数の期間工の解雇を表明しました。
その一方で、巨額の資金を消費するF1の来期については、いっさいアナウンスされていません。
些か古い資料ですが、トヨタがF1に掛ける資金は、2006年シーズンは、およそ600億円だったとされています。その後、空前の利益を上げ、F1での勝利を渇望していたトヨタがその予算を削減したとはとても考えられませんので、今シーズンも廉く見積もっても同額程度は支出されていたことでしょう。
このところの円高もあり、表面的にF1の予算を2割カットとかパフォーマンスをしてみても、ドル換算すると予算が全く減っていないミラクルも演出できそうです。
ところで、ホンダと同じくF1を撤退し、その費用を雇用の安定に振り替えれば、年間コスト600万円までの労働者なら、1万人もの雇用を維持できる計算になります。
少なくとも、大企業の社会的責任としては、投資としては割に合うとは思えないF1は撤退、最低限この1万人までの雇用は護った上で、更に足りなければ已む無く一部解雇、と云うのが筋ではないでしょうか。
かたやF1の参戦は続け、ハケンや期間工は解雇、と云うのは日本人の美学にはそぐわないと思いますが、如何なものでしょうね。特にこの年末に解雇なんて、中の人は日本人ぢゃないんじゃない?
その経営姿勢って、自家用ジェットで議会に物乞いに行き失笑を買ったアメリカビッグ3のトップと、精神面において何も変わらないと思いますけど。
常々、気に入らないと思っている外来語があります。リストラと云うんですけど、日本語のリストラって、首切りって意味ですよね。
でも、語源となった「ReStructuring」って、再構築って意味だよね。
業務内容を見直し、効率よく再構築することによってコストを削減する。その結果、余剰人員が発生するなら整理する、と云うのが本来の意味。
卑怯卑劣な大企業のように、リストラの名の下に人員削減をした結果、残った社員が過労死寸前なんていうのは、ただの不法労働行為であって、経済行為の再構築ではないでしょ。
もしも来期、このままトヨタがF1を走っていたら、わたしはたぶん、首切りされた労働者の怨念で走っているとしか思えないでしょうし、全く・欠片ほども応援する気にならないでしょう。
コメント
ホンダは幾ら注ぎ込んでも勝てない上に、今なら高値でチームが売れる状況でタイミングが良かったのもあると思いますし。
また、一連の解雇では、経費削減も大きいですが、それ以上に生産激減で仕事がないことが挙げられます(特に経常利益が6000億のトヨタの場合)
提言が正社員の仕事と給与を2/3にし、期間工、派遣の方々も仕事と給与を2/3にし、全員の雇用を守るという方針でしたら、悩むところなんですけどね
既に残業時間の削減、土日、夜間の生産ライン停止は行っている会社が多いですし
そもそも人が余りすぎている現状があるので人員削減は仕方の無いことだと思います。
まぁ、半年くらい前から延長がないような話は出ていたので、みなさんある程度覚悟はしていたのではないでしょうか。
僕も覚悟しています。