呆れたとしか言いようがない
2005年3月8日 エッセイ ここ数日間、世間様を騒がせていたひとつの事案が終了しました。フジテレビによる日本放送株のTOBです。
結果からすれば、既に皆様ご承知のようにTOBは成立、フジテレビは日本放送の発行済み株式の36%以上を保有することと相成りました。
非常に、不愉快です。
まぁ、あの日枝とか云う会長の発言自体非常に私の癇に障るものがあるのですが。あの、インタヴューなどの折の人を小莫迦にしたような物言い、そのまま小泉に通じるものがありますよね。微妙に論点を自分に都合が云いようにずらしつつ、相手の個人攻撃めいたことにまで言及し、薄っぺらな笑いを唇あたりに貼り付けての対応。見聞すると腹が立つのですが、まぁこれは個人的な寧ろ感情面の噺なので詳しくは割愛。
今回のTOB成立で、いちばん不愉快な点は、そもそもTOBが成立した点に他なりません。
TOBとは、株式の公開買い付けであることは、ここ数日のニュース報道などで皆様解っていると想います。そう、指定した銘柄の株式を、指定した金額で買いますよと、広く一般市場に呼びかけて応募を待つ株式取得方法です。
この手法の最大の利点は、計算ができることです。
通常の株式市場では、株価は常に変動しています。まして、大量に指定銘柄を買い付けようとしたら、通常の市場取引ではほぼ必ず株価が値上がりします。これでは、当初用意した予算では、当初計画した株式を買うための資金が不足します。
確かに、その為の金額指定の公開買い付けなのですが。
今回の場合は、かなり汚く見えます。
昨日、つまりTOB締め切り前日の日本放送の株価終値は、フジテレビが提示していた公開買い付け金額よりも、650円ほど高価な状態でした。誰がどう考えても、TOBに応じるよりは、市場で売った方が儲かりますよね。子どもでも解る数字の比較です。
それでも、何故か、市場価格よりも廉価で売ろうと応募した株主が非常識な程たくさん居て、その結果フジテレビはこのTOBによって24%以上の株式を取得しました。元々保有していた12%強と併せて、持ち株比率を36%以上にした訳ですよ。
ここで、いったい何が起きたのかを、具体的な数字を挙げて示します。
先ず、発行済み株式3280万株の内の24%程、約790万株をフジテレビは、市場価格よりも格安で「何故か」買うことができました。昨日の終値を資料に試算すると、この差額と株数から実質的に「何故か」ぼろ儲けしてしまった金額は、51億円を超えます。
ひっくり返せば、TOBに応じた株主たちは、寄って一斉に「何故か」51億円を超える寄付をフジテレビにしたようなものです。しかも、贈与税も掛からない状態で。
実に、不可解ですよね。
中には、今回のTOBを取り扱った大和證券のようなところもあります。この証券会社に投資信託で資金を預けている人達は、どう考えるのでしょうか。株式のプロとして資金を預けている筈の証券会社が、「何故か」保有株式を市場価格よりも大幅に安値で売ってしまうなんて、何を信用したらいいのか判りませんよね。
今回のTOB成立の裏は、年老いた経営者グループと云う云わば「村社会」が、若手の台頭を毛嫌いして損を省みずに嫌がらせをしたようにしか、私には見えないのです。
だから、不愉快極まりないのです。
勿論、広告製作会社など、将来の自社の利益などを考えての判断と云うところもあるでしょう。しかし、それでさえも、私から見れば、頭の固い愚かな判断だとしか想えません。
この騒動の中で、実に英断といえる判断をした企業があります。トヨタです。「市場価格を下回るTOBに応じられる訳がない」と、いっさい動かずに居ました。
先に記したように、市場価格より安価で売ること事態がおかしい、云わばこれは常識です。ただ、今回の場合、終盤は多少事情が違っていました。
大株主の上位10で、持ち株比率が80%を超えると上場廃止になることも、近頃の特に西部がらみのニュースで知っている方も多いと想います。
株式は、上場廃止になれば、その価値は大幅に減ります。なので、それまでに、できるだけ高値で売りたいと云うのも云わば常識なのです。今回、終盤に入って、TOBが成立する見通しが強くなっていました。そうなれば、ライブドアが45%、フジテレビが25%以上、村上ファンドが8%以上だったかな、それだけで80%目前。上場廃止は確実な情勢だったのです。
それでも動かなかったトヨタ上層部は、今回の渦中では動かなかったと云う点で、私は、経営者としては尊敬に値すると想っています。今後の動きに、注目です。
場外乱闘として、鹿内一族の訴えも、これからおもしろさを増してくれる要素になりそうです。いちどは売った株が返還される訳はないと想うのですが、8%ですからね。影響は大きいです。しかも、確かに彼等が主張するように、「大和證券がフジテレビがTOBを行うことを知っていて隠していた」と云うなら、その不誠実さは会社の信用を左右するレベルのものだと想います。少なくとも、将来に渡って私はこの証券会社とは取引を持ちたくないと想います。
まぁ、世間様がTOBの成立と、株式の保有率にばかり注目しているみたいだったので、その成立がどれだけ不自然極まりないものなのか、ちょっと数字を挙げてみたくなったデスよ。この51億円超について、経済専門誌やマスコミなどが焦点を当てて取り上げてくれないものかしらね。
結果からすれば、既に皆様ご承知のようにTOBは成立、フジテレビは日本放送の発行済み株式の36%以上を保有することと相成りました。
非常に、不愉快です。
まぁ、あの日枝とか云う会長の発言自体非常に私の癇に障るものがあるのですが。あの、インタヴューなどの折の人を小莫迦にしたような物言い、そのまま小泉に通じるものがありますよね。微妙に論点を自分に都合が云いようにずらしつつ、相手の個人攻撃めいたことにまで言及し、薄っぺらな笑いを唇あたりに貼り付けての対応。見聞すると腹が立つのですが、まぁこれは個人的な寧ろ感情面の噺なので詳しくは割愛。
今回のTOB成立で、いちばん不愉快な点は、そもそもTOBが成立した点に他なりません。
TOBとは、株式の公開買い付けであることは、ここ数日のニュース報道などで皆様解っていると想います。そう、指定した銘柄の株式を、指定した金額で買いますよと、広く一般市場に呼びかけて応募を待つ株式取得方法です。
この手法の最大の利点は、計算ができることです。
通常の株式市場では、株価は常に変動しています。まして、大量に指定銘柄を買い付けようとしたら、通常の市場取引ではほぼ必ず株価が値上がりします。これでは、当初用意した予算では、当初計画した株式を買うための資金が不足します。
確かに、その為の金額指定の公開買い付けなのですが。
今回の場合は、かなり汚く見えます。
昨日、つまりTOB締め切り前日の日本放送の株価終値は、フジテレビが提示していた公開買い付け金額よりも、650円ほど高価な状態でした。誰がどう考えても、TOBに応じるよりは、市場で売った方が儲かりますよね。子どもでも解る数字の比較です。
それでも、何故か、市場価格よりも廉価で売ろうと応募した株主が非常識な程たくさん居て、その結果フジテレビはこのTOBによって24%以上の株式を取得しました。元々保有していた12%強と併せて、持ち株比率を36%以上にした訳ですよ。
ここで、いったい何が起きたのかを、具体的な数字を挙げて示します。
先ず、発行済み株式3280万株の内の24%程、約790万株をフジテレビは、市場価格よりも格安で「何故か」買うことができました。昨日の終値を資料に試算すると、この差額と株数から実質的に「何故か」ぼろ儲けしてしまった金額は、51億円を超えます。
ひっくり返せば、TOBに応じた株主たちは、寄って一斉に「何故か」51億円を超える寄付をフジテレビにしたようなものです。しかも、贈与税も掛からない状態で。
実に、不可解ですよね。
中には、今回のTOBを取り扱った大和證券のようなところもあります。この証券会社に投資信託で資金を預けている人達は、どう考えるのでしょうか。株式のプロとして資金を預けている筈の証券会社が、「何故か」保有株式を市場価格よりも大幅に安値で売ってしまうなんて、何を信用したらいいのか判りませんよね。
今回のTOB成立の裏は、年老いた経営者グループと云う云わば「村社会」が、若手の台頭を毛嫌いして損を省みずに嫌がらせをしたようにしか、私には見えないのです。
だから、不愉快極まりないのです。
勿論、広告製作会社など、将来の自社の利益などを考えての判断と云うところもあるでしょう。しかし、それでさえも、私から見れば、頭の固い愚かな判断だとしか想えません。
この騒動の中で、実に英断といえる判断をした企業があります。トヨタです。「市場価格を下回るTOBに応じられる訳がない」と、いっさい動かずに居ました。
先に記したように、市場価格より安価で売ること事態がおかしい、云わばこれは常識です。ただ、今回の場合、終盤は多少事情が違っていました。
大株主の上位10で、持ち株比率が80%を超えると上場廃止になることも、近頃の特に西部がらみのニュースで知っている方も多いと想います。
株式は、上場廃止になれば、その価値は大幅に減ります。なので、それまでに、できるだけ高値で売りたいと云うのも云わば常識なのです。今回、終盤に入って、TOBが成立する見通しが強くなっていました。そうなれば、ライブドアが45%、フジテレビが25%以上、村上ファンドが8%以上だったかな、それだけで80%目前。上場廃止は確実な情勢だったのです。
それでも動かなかったトヨタ上層部は、今回の渦中では動かなかったと云う点で、私は、経営者としては尊敬に値すると想っています。今後の動きに、注目です。
場外乱闘として、鹿内一族の訴えも、これからおもしろさを増してくれる要素になりそうです。いちどは売った株が返還される訳はないと想うのですが、8%ですからね。影響は大きいです。しかも、確かに彼等が主張するように、「大和證券がフジテレビがTOBを行うことを知っていて隠していた」と云うなら、その不誠実さは会社の信用を左右するレベルのものだと想います。少なくとも、将来に渡って私はこの証券会社とは取引を持ちたくないと想います。
まぁ、世間様がTOBの成立と、株式の保有率にばかり注目しているみたいだったので、その成立がどれだけ不自然極まりないものなのか、ちょっと数字を挙げてみたくなったデスよ。この51億円超について、経済専門誌やマスコミなどが焦点を当てて取り上げてくれないものかしらね。
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