今朝の新聞で読みました。
 「国民健康保険の未納が問題になっているので、携帯電話の通話料に上乗せして徴収しよう、とか、クレジットカードで引き落とそう、などといった意見が出されている。」らしいです。
 素晴らしい、見事に明後日を向いた意見ですね。また、保険料の徴収率の低下をこれ以上看過できない理由としても、
「納付率の低下が制度不信を招いた年金の二の舞は踏ませないため」とされているらしいです。
 なんて、見当違いも甚だしい見解なのでしょう。

 現在の私を知る方の殆どはご存じないと思いますが、私は10年ほど前までは、そのまま、国民健康保険を専門に扱う係に所属しておりました、いわば国民健康保険のプロです。知識古いけど・・・。一応、10年前のものですが国民健康保険法も完全に把握しておりました。

 さて、国民健康保険の未納率の問題ですが、これは主に「自主納付に任されている」が故の問題です。その他の全ての健康保険制度とは違い、給料からの天引きではありません。だから、未納が発生するのです。
まぁ、保険料が高価なのは確かです。会社や役人の健康保険のように、労使折半の制度がある訳ではないのですから。それだけを考えても、単純に、国民健康保険の被保険者(つまり利用者、本人)はそれ以外の保険の被保険者に比べて、保険料が2倍です。

 但し、保険料と云う1点については、非常に明快で解り易い、理解されやすい構造をしています。社会保険や共済保険が給料の一定%と云う計算方法なのに対し、国民健康保険は、健康保険が使った金を全員に割り振っているだけですから。そこには、不可解な使途不明金や汚いカネが紛れ込む余地はありません。

 そう云った訳で、国民健康保険の未納は、ひとえに納付者の問題です。時々、支払能力を超える保険料請求が発生することも事実ですが、それも含めて、納付者の問題です。
 ですが、冒頭に挙げた、新聞で紹介されたような案は如何なものかと想う。徴収も、民間頼りですか。いっそ、民営化してみませんか。

 さて、年金は、根本的に、違います。

 もともと、国民年金を始め各種の所謂年金制度は、保険制度に見立てて、それを利用した社会保障のひとつです。そう、年金保険です。私たちが掛けた金を、将来私たちが年金として貰う、そういったものです。
 昨今、卑劣にも政府が宣伝しているような、「世代間の助け合い」などでは、全くなかった筈なのです。それが証拠に、昨年、三流政治屋共の年金未納問題が発覚した時に、安倍とか云うその腰ギンチャクはマスコミの前で国民に向かってこう公言しました。「年金が未納になっている者は、将来その年金が貰えないと云うだけのことで、個人の問題である。年金制度的にも、(政治的にも)何の問題もない。」と。あれぇ、おかしいですねぇ。何故政府は、年金の未納を大問題として、あれこれ議論らしきことを繰り返しているのでしょうねぇ。

 年金の未納が増えたのは、当たり前のことです。
10年前、私は国民健康保険を仕事にしていたと記しましたが、そのときの所属は、「保険年金課・保険係」。国民年金も、同じ課の業務でした。
その私でも、国民年金の詳しいことは、解りません。多分、貴方が現職の年金係の方に質問をしても、簡単には疑問は解決されないでしょう。
国民年金は、その制度として、5年毎に制度を見直すと云う実にバカバカしい仕組みを持っています。なので、事務屋さんは、まず客の生年月日を確かめることからお仕事が始まります。誕生日が1日違うだけで、適用される制度が全く違うなんて云う、全く持ってリカイフノウな事態が、現行制度なのです。

 その上で、ねぇ。見直す度に、保険料として支払う現金は上がる、貰える予定であり未定の金額は下がる。しかも貰える年齢までどんどん悪くなっていく。そりゃ、若い世代が、「今のペースで貰える年齢が遅くなっていったら、オレの時には平均寿命を越しているだろう」と考えるの、当たり前ですよね。

 その上酷いのが、社会保険庁や政府の莫迦共。国民年金の未納者が、所謂生命保険業者の企業年金を掛けていることに腹を立てたのかなんなのか、「あれを強制解約させて差し押さえる」なんて愚考をしつつあるらしい。
如何にも役人らしい貧困な発送です。企業人なら、きっとこう反論するでしょう。尤も、あまりにもバカバカしいと想ったのか、当の生命保険各社からはこういった反論はされていませんが。
 「国が提供し、保障するといっている国民年金と云う商品が、倒産の可能性さえある筈の民間企業が販売している企業年金よりも信用されていないと云う、市場の正直な反応です。」

・・・私の意見、間違っていますか?

 尤も、これ以上私の正直な意見を晒すと、トンデモナク突拍子もない範囲まで発想が跳びますので、ここらにしておきたいな、と想います。
興味がある方がいらしたら、そうおっしゃっていただければ、酒でも呑みながらゆっくりと持論を語りますよ。

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