GP名古屋について、私自身がプレイヤー参加できないことがはっきりした時点で、当然のようにデック選択を止めてしまったのですが。後付での告白は嘘臭くなるのが常ですが、それでも戦略論を偉そうにぶった身としては、解説などをしてみたいと想ったり。

 正直、多くの方と同じように、ゴブリンと親和の2択まで選択肢を絞っていました。更に、ゴブリンは赤緑、親和はサイドボードに《モリオックの装具工/Moriok Rigger(5DN)》を採用したスタイルと、ほぼデック選択の正解を素で行っておりました。最終的には、《モリオックの装具工/Moriok Rigger(5DN)》を持っていないので赤緑ゴブリンで、ほぼあの時挙げたサンプルデックそのままで完成形、という感じでした。

 いつもなら、「オリジナルぢゃなきゃ嫌だ。メタの王道デックは使わない」と意地を張る私ですが、ジャッジデビューを目指す身として、プレイヤーとしてあまりにもヘタレだと説得力を欠くために、そろそろ本気でレーティングアップを図らなければいけなくなった、という大人の事情がそこには存在します。

 で、今日は何故赤緑ゴブリンという選択に至ったか、というお話し。
まず、ゴブリンというアーキタイプは、天敵を持ちません。親和でさえ、緑の濃いデックは苦手なのに対して、ゴブリンはメインでどうしようもないほど相性が悪いというデックは、白単コントロールだけ、しかもそれはメタ上存在しない。いや、DS抹消とか、赤白スライドとか、赤コンとか、相手にしたくないデックはそれなりにあるのですが、天敵と呼べるデックは少数派でした。
 そしてここからがメイン。
 召集タイプは、コントロール系に有利に戦え、そうでなくても召集さえ通れば何とかなる局面が多いという利点から、多く使われるタイプですね。しかし、この召集が邪魔になる、使えない局面も多いことも事実。例えば、同系対決での召集は役立たずです。一方的に多数のゴブリンを呼べる場合以外は、スタックの解決の時には相手の方が先に解決されるわけで、不利ともいえます。そして、親和相手にも召集は役立たずです。信奉者を2〜3体纏めて場に出されてしまったら、それだけで負け確定です。そして、恐らく親和とゴブリンだけで4割以上は占めるだろうという予測から、その4割で召集が役立たずになるという計算をしたのです。故に、赤黒スタイルでより有利になるのは対白系コントロールと、同系に対して《定員過剰の墓地/Oversold Cemetery(ONS)》を使用した場合のみともいえます。また、このスタイルは《赤の防御円/Circle of Protection: Red(8ED)》に対して手も足も出ない状態になり易いです。勿論、プレイングで防御円程度は突き破って見せるという自信があればよいのですが。
 次に赤単。勢いは最高です。その代わり、やはり《赤の防御円/Circle of Protection: Red(8ED)》に対して無防備です。さらに、他の2色ゴブリンに比べて柔軟性に欠けることも事実で、手札が切れてリセットを受けたらどうしようもありません。速攻に総てを賭ける、示現流のようなデックです。
 そして、赤緑。メインで、現在のメタ上の有力デック殆ど総てに対処できます。対親和には《酸化/Oxidize(DST)》と《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt(MRD)》で。対ゴブリンにも上記2種で。むしろ、《総帥の召集/Patriarch’s Bidding(ONS)》が無駄カードにならない分、赤黒型に対しては有利です。まぁ、《酸化/Oxidize(DST)》が無駄カードになることはあるわけですが。そして対トロン。緑単色トロンが増えたことによって、リセットは《忘却石/Oblivion Stone(MRD)》であることが多いです。即ち《酸化/Oxidize(DST)》で、勝利するまでの時間を稼げます。青白コントロールに対しては、純粋な時間勝負ですよね。緑白スライドは、結局スライドが動くのは4ターン目です。前のめりゴブリンならば充分勝てる時間です。そしてサイドボード。《帰化/Naturalize(8ED)》はいいカードです。対親和でも、対赤黒ゴブリンでも、対青白コントロールでも、そして対緑白スライドでもサイドインします。役に立ちます。対トロンでも使える場面は少なくないでしょう。そして対トロンの決定打、《血染めの月/Blood Moon(8ED)》です。素晴らしい。総てのトロンは山です。勿論トロンは緑を含むので、そのうち壊されるでしょう。いいんです。2〜3ターン稼いでくれればゴブリンは勝ちます。そして、対ゴブリンの火力2種類。特に《マグマの噴流/Magma Jet(5DN)》は強い。ゴブリンが、次のドローを知っていることは、戦術的にとんでもなく有利です。

 という訳で、プレイングしだいでは特に不利なマッチアップが少ないという赤緑ゴブリンを、自分は戦略とした訳です。で、多少構成は違いますが、赤緑ゴブリン優勝と。で、多分、ゴブリン使いの方々も、赤緑だったらあの時親和に勝てたなぁとか、思っていると想います。

 それから、多少悲しい事実があります。バイ無しの人と、3バイ持っている人では、当然、メタが違います。これは事実として覚えておいた方がいいです。GPはオープンです。誰でも参加できます。最初の3ラウンドまでは、謎な地雷デックや、例えば親和にしか勝てないガンメタデックなど、訳のわからない世界が広がっている訳です。対して3バイを持っていれば。それらの怪しいモノは、殆ど駆逐されています。3連勝スタートしているデックは、ほぼ確実にメタ上に存在するもの、即ち対策が取れているか、諦めはしたけれど認識はしているものな訳ですよ。

 という訳で、そういった点からも、ゴブリンは正解かな、と。

 まぁ、GPは終わったので、壮大なメタ読みはもうしばらくは必要ないですね。まぁ、こんな文章でも、これからのデック選択などの参考になれば嬉しく思います。要するに、戦略的な考え方ですね。

 P.S.公認タイプ1ですが、公認を取る関係上、実施は10月の中旬になりますよ。

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